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自信のなさと日本
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とても興味深い記事を発見しました!日本人女性を対象に、容姿の自己評価をリサーチしたそうです。

日本は全体的に、自分に対する評価が低い。外見的魅力に満足している人は、各国平均の37%に対し14%で、大きく下回った。「自分の外見を表すのにふさわしい言葉」として「かわいい」「美しい」を挙げた人は0%、「魅力的」もわずか2%だった。
(毎日新聞)
これはいったいどういうことでしょうか?まず考えられる要因として、日本人の謙虚さ、消極性、客観性があるように思います。


もともと、文化的背景として儒教が浸透している日本では、謙虚さや謙遜というのは人を評価する上で非常に重視されていますよね。(残念ながら中国、韓国のデータがなく、それらがあると本当に儒教が謙虚さに影響を与えているのかどうかがわかると思いますのですが)。さらに、日本特有の考え方で、「傲慢な人=和を乱す」的な捕らえ方があると思います。自己を誇大評価せず、主張を心の中にしまっておくというのは、組織の中で統制をとるための価値観として生まれたのかもしれません。

主張する者は集団の頭だけでよく、その他の者が主張しなければ和は乱れない。これは規律と秩序が最優先されてきた国のある種の習慣、生活の知恵なのではないでしょうか。やがてその謙虚さとその裏側にみえる人間的奥ゆかしさというのは、道徳の一部、人格を形成するための美徳の一要素になったように思います。


次に、自己評価の低さというのは行動の消極性とリンクしそうです。基本的に消極的になる、というのは潜在的に何かを恐れている時ですね。そして、消極的な人といのはまず周りの目を気にしますよね。これはどういうことかというと、その人はある共同体に属していて、その中で和を乱すことを恐れるわけですね。つまり、何らかの組織に精神的に依存していることを意味します。

これは僕自身の経験ですが、欧米人とグループで話し合いを持つとき、常に日本人はとにかく自分から話し出さない。彼らは周りの目を気にも留めず、バンバン自分達の感じたことや考え方を言い合います。他人との意見の違いをむしろ楽しんでいるかのようにさえ見えます。しかし、僕も含め日本人はそうはいかず、グループ内での意見や観方の対立に居心地の悪さを覚え、相手の出方を伺った上で目的や理想のずれがあるならば妥協案を織り交ぜながら自分の意見を言う。コミュニケエーションにおいてpassiveだといえるでしょう。

彼ら欧米人の積極性というのは精神的に対話している相手、又はその属する共同体に依存していない、「あなたと私は違います」という考え方が前提で、言い換えれば、「あなたの助けがなくても私は勝手にやっていきます」ということですね。私達日本人はどこかに助け合う精神が前提にあると思います。これは日本人が親切で優しいと呼ばれる所以でもありますね。欧米の価値観、個人のindependenceは、個人の自己責任が根底にあります。失敗も成功もその行動を起こしたその人の責任。従来の日本の終身雇用などに見られた、組織に守ってもらう、という考えは今も根強いのではないでしょうか。

そして、個人主義の競争社会では、もたもたしていると置いていかれるし、主張しなければ利用されるという危機感も自然に植えつけられます。よって、積極的にならざるを得ないという側面もあります。彼らにとって社会で認められるということは、自分からアピールしてゆくことでもあります。自分の欲望は誰かに叶えてもらうのではなくて、自分自身で全うする、という考え方です。会話の中にしろ何にしろactiveに行動する、というのはそのあたりからきているようにも思います。

よって結果、すべてが自己責任でリスク管理が個人に委ねられる環境で育てば、自然と人は自分の判断でやってきたことに自信を持つようになります。逆に言えば、常に重要な行動を誰かに決めてもらっていては自信はつかないですね。そして、彼ら、特に米国人には、内気でおどおどした態度というのは美学に反するようです。それは男性だけでなく女性にも言えることで、アメリカの女性は恋愛や性においてもかなり積極的で、ファッションでの肌の露出度においてもそれはいえます。

深夜のTVで、Girls Gone WildというビデオのCMでは、海のビーチで大勢の人前を女の子がカメラに向かって胸をさらけ出して「イェーイ!」となどとあっけらかんにやっています。ちなみにそれはそういうショットを集める企画のようで、本当に数え切れないほどの女の子が参加しています。

こういう行動は心理的な自信に裏づけされていなければできないのではないでしょうか。自分に自信のある人間は物事をネガティブに考える傾向が少なくなると思いますし、周りのネガティブなリアクションを想定していればそんなことはできないはずです。もしくは、ネガティブな反応に対しても、心の準備として、「あなたはあなた、私は私」と批判をはねつける精神的強さ、つまり自信を持っているといえます。

ここで注意したい点が、リサーチはセレブリティの様な容姿を持っているかとは聞いておらず、他人に比べてどうか、というのと自分の容姿に満足しているかどうかを聞いています。つまり、自分が際立って美しいとは思っていないが、それはそれで満足している、と回答していると判断できます。つまり、自分の容姿の平凡さを認めた上で、それを上回る魅力を総合的に観て確立できていれば、自然と自分自身を肯定的に捉えることができるし、その結果、「こんな顔だけど、私は自分に満足している。逆に、この顔がなければ今の自分は成立しない」、といえることができるのだと思うのです。自信とは欠点をも包括するものであったりしますよね。


一方で、常にポジティブに考える、というのは言い換えればOptimisticとも言うことができ、客観性に欠ける、とも言うことができると思います。これは、アメリカの国際政策に見て取れますね。京都議定書のサインをCO2排出量云々で拒否したり、国連の決議を無視してイラクに侵攻したりと、客観性に著しく欠けているように思います。これは自己主張が行過ぎた状態で自信過剰の裏返しですね。

ここに、自己評価が低いというのは客観性を保ち、冷静に自分を評価できているということもできると思います。そして、よく考えてみると、「他人よりも劣っているか」という問いで、客観が上手く作用していると、どこかに美貌の平均値はあるはずなので、相対的に両側が半々、50%になるはずです。しかし、結果は4人に1人が劣っていると思うと答えています。これでも、50%の2人に一人には程遠いのですが、他の国に比べると、客観性はダントツのようです。このあたりの日本人の知性に救いを感じます。

しかし、真実は常に主観と客観のせめぎ合いだとすれば、いったいそのバランスはどれが理想的なのでしょうか。行動を起こす上で、主観に偏りすぎているとバカにみえるし、客観に頼りすぎると、ネガティブにみえます。どのバランスがこれからの近代化を遂げ複雑化を増してゆく社会で、いい方向に進むか悪く作用するかは誰もわからないと思いますが、多少ばかげていても、時には楽観を保つことができるぐらいがいいのかぁ、と思ったりしますけれども。


今回の調査データで、常にどこかの共同体に属し誰かの助けを期待している消極的で自信のない日本人の姿が浮き彫りになったような気がします。話を単純化させると、自信のある人は積極的になるし、自信のない人は消極的になる。なぜ日本人に自信のない人が多いのかは共同体の庇護を期待しているからではないでしょうか。それは言い換えると、主体性の欠如なのかもしれません。その背景には、厳しい規律で秩序を形成してきた日本の文化があるように思います。同じ調査を男性に向けても同様の結果が出るのではないでしょうか。彼らに時間があればぜひやってもらいたいですね。

リファレンス
毎日新聞 日本女性「自分は他人より劣る」 4人に1人も 2005年5月7日


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