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学力低下の裏側
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Yahoo!NEWSの教師の不祥事というセクションのページで見つけた「学力急落、わいせつ教員急増」というリンクの社説で、子供の読解力低下を取り上げていました。

実際、文章の正しい理解力なくして、数学や科学の設問に対応できず、本や新聞を読むのも大儀になり、社会や世界への興味、理解が限定されてしまう。文科省は「(読解力低下の原因は)テレビ視聴時間増、読書減、コンピューターの浸透など、言語環境変化の影響では」と指摘した。

 「うざい」「キモい」「キレる」「チョーXXX」…。「少ない読書量ではボキャブラリーが貧弱化し、読解力が下がるのは当然」というボヤキが教育現場で漏れる。急速な活字離れはもはや、見過ごせない段階に達しているのかもしれない。
気が付いた点をいくつか。

この社説では学力の低下の原因の一つとして語彙力、読解力の低下を挙げ、それを言語環境変化の影響と指摘しています。この環境変化の一つとして、テレビや漫画の浸透はもちろんそうですが、「良質の文章が減った」ことが見落としがちになっているのではないでしょうか。最近のニュース記事や社説やエッセイなどでは漢字とひらがなの比率では圧倒的にひらがなの方が多い。逆に和製英語などの外来語が漢字にとって換わっているのかというとそうでもない。少ない文字数で数多くの概念をホールドする名詞の数が極端に減っている印象を受けます。

誌上での文字のサイズは大きくなり、私をわたしと掲載したり、筆力と情報力のない掲載者側の原稿文字数を埋めるための戦略とさえ感じます。天声人語は一時期受験生の模範とされたが、最近のものはめっきり質が落ちてしまった。一言で言ってしまえば、読ませない、力強さがない様に感じます。そこには信念と主体性に欠く日本人像が浮かび上がる。読む価値のないものが溢れる中で、読む人が少なくなるのは当然の結果ではないでしょうか。部下の欠点を指摘する上司が自分の欠点をさらけ出す様に、今の現状は知識階層の学力低下が反映された結果といえるのかもしれない。


もう一つ、学力が低下した一方で、上昇した分野があるのではないでしょうか。スポーツ、ゲームやアニメなどのエンタテイメント、ファッションや芸術などです。何れも文字とは読解力とは関わりの少ない、いわば対極に位置するような分野です。日本のアニメや漫画は世界中に広まり、アテネ五輪では史上最多のメダル数を叩き出し、イチローや中田英といった世界で通用するアスリートが登場し、ゲーム機のシェアは世界では日本製のものが殆どです。芸術の分野では千住博や村上隆など日本人アーティストの活躍が目立ってきました。「リング2」などの映画はハリウッドにも進出しています。

これらに共通していえるのは、言語を取り扱う左脳の分野とは対象の右脳を主に使う分野だということです。こいった分野ではイマジネーションや空間認識力、全体を総括する力が必要になります。また、情報認識のプロセスは視覚だけではなく、聴覚もある。つまり、新聞ではなくTVなどで情報を得るようになったということは聴覚の発達を促す可能性もある。その延長上には音楽の分野での発展が期待できるかもしれない。


学力だけが人間の価値を定めるものではない。かといって、それを軽視しているとこれからのグローバルな情報化社会で、経済を知的財産に依存していこうとする日本は生き抜いていけない。しかしまた逆に右脳を使った柔軟な発想力がなければ新しいイノベーションは期待できない。もし、どちらも大事だということであれば、能力の分化の徹底を試みたらどうだろうか、と思います。

平均的になんでもこなせるゼネラリストを育てるのを止めて各分野でのスペシャリストを育てる教育をすればいいのではないでしょうか。教養がなくてもスポーツや絵画の能力があればそれを徹底して伸ばせばいいと思います。これからの日本は各分野でのスペシャリストの集団になって足りないところはそれぞれ補完し合ってゆけばいいのではないでしょうか。

リファレンス
東奥日報 社説 「学力急落、わいせつ教員急増」 2004年12月16日
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